引き算の設計

プラン依頼を受けた、お客様達への第一提案が全て終わりました。
展示会終了から一ヶ月ちかくかかり、大変ご迷惑おかけ致しました。
返事待ちのなか、一つのプランが早くも第二ステップにいけることになり、再プランとなりました。
プランのみなおしを依頼受けるのは、真剣に考えているということと、私をえらんでいただいているということで大変嬉しいお話です。

どうしても、ファーストプランと概算見積の段階で、高いといってはずされるケースが多いので・・・

私は、ファーストプランは現実的な範囲で、お客様の要望をほとんどかなえた設計をします。例えば、予算が1000万というお客様が70坪の超高級住宅希望という場合は、理由を話して1000万にちかくおさまりそうな工夫をしたプランを考えます。(それでも、1000万を超えると思います。)

なので、私のファーストプランは皆様の希望金額より高いプランです。
そこを説明してはいますが、なかなか高いと言われ断られてしまいます。
今回の一組のお客様の様に、そこをご理解していただき予算調整をふくめた現実プランを御願いされるのは、私の考え方に理解をしていただけるということですごく設計者として嬉しいです。

私の協力業者さんたちは、いつもほぼ同じ内容の建物をつくるとして200万~300万なら2000万円以上の住宅だと、変化は多少のおさめの違いなどで変化すると思うが、それ以上は金額の差がつかないと思うし、分離発注を行う住宅より金額が安い場合は、あきらかに住宅の質を落としていると言います。
実際、私が断られた物件でそういうのを見てきていますし、あとから失敗しましたと連絡うけてるケースもあります。

むろん、金額同等でプランの内容で断られるときもありますが、そういう場合は私とその方の方向性が違っていたことになり仕方のないことです。

私が、ファーストプランで高めに出すのは、引き算の設計をして頂きたいからです。予算の中で出来る範囲で仕様をおとすのは簡単です。限界はありますが・・・
で、よくあるのがそのあと追加追加で結局私のだした金額より高くなるケースや、希望をかなえられないで不満になるケース。
後者はまだいいです、金額を重視するという選択をしたわけですから、ですが追加で予算オーバーのケースはトラブルがつきものです。
そういうのを、設計監理をいまのようにやる前までみてきたので、引き算の設計をしようと考える様になりました。

ファーストプランで現実的な範囲での、要望をみたしたプランを行い、概算金額を伝え、何が絶対に必要で、何が余裕があれば必要で、何がなくても困らないかの優先順位をつけてもらい、困らない物をなくしていき、セカンドプランへ・・・
セカンドプランでの予算オーバーをしたら、仕様をみなおすか、プランをみなおすかを打ち合わせし次々のステップを踏んでいきます。

そういうことをすると、すごく時間と労力がかかると施主様達にはよく言われますが、最終的にできあがるものには納得ができるようです。
あそこで、ああしておけばよかったなどの後悔は少ないそうです。

今回のお客様の場合は、ファーストプランが要望ほぼ満たしていましたが、概算金額を聞いて家族の生活空間にメインをおき、趣味の空間を削ると宣言し、セカンドプランにいきます。
今後は私は、予算の中で趣味の空間をどこまで残せるかが、設計者としての腕の見せ所です!!