大寺和美の悲劇

ダブル断熱

ネットゼロエネルギーハウスです。私のお膝元です。お客様を優先ということで応援隊がメインですが・・・
ちょっと、この応援隊現場なめすぎています・・・というか・・・オオデラさん曰く、青森はこんな感じですよと言われていますが、私はそんなのが嫌で厳しいことを言ってでも現場のレベルの向上に励んできたので、オオデラさんには頑張らせてくださいってお願いしています。なるべくこまいところには目をつぶっていますが・・・

でも、面白いことに出るんですよね・・・数値化するって大切なことで・・・
オオデラさんに悲劇が訪れることになるんです・・・

ちなみに、この建物は外がアキレスQ1ボード厚さ50mm内側がアイシネン105mmを吹いております。
高性能GW16kgを200mm〜300mmの間でいれているイメージですね。発泡系はどうしても技術者によって断熱性能に違いがでてくるのでちょっとファジーにかかせてもらっています。
天井がロックウールを400mm、外気に接する床はアキレスQ1ボード250mm(当初は150mmでしたが、配管の取り合いで250mmまでになってしまいました・・・)基礎断熱はスタイロフォームEX立ち上がり100mm、土間部分を50mmでW1365程度という断熱にトリプルサッシなので断熱はだまっていてもよいに決まっています。

気密が大切ってことになります。こんなによい性能のものを使っても隙間があれば意味がありません。
サッシにはしっかりと気密パッキンを使い、土台にも気密パッキン。断熱材と桁の間にも気密パッキン・・・と外側の外壁のほうはまったくもって完璧な施工です。
そわざとウレタンを注入する隙間をつくり、ウレタンを注入することで気密をとり、さらにその上に気密テープ・・・と念入りにやったのですが・・・

私には不安が一箇所、オオデラさんにも不安が一箇所ありました。
気密測定の結果をよくするためには、四角総二階が一番よく、断熱的な納まりが複雑になるほど不利になります。
一見真四角のこの住宅は、断熱の取り方で複雑(と呼べるほど複雑では無いけど・・・中泊よりはという意味で)な納まりになっている部分が一箇所有り、私が心配だったのはそこの部分の納まりかたでした。外で気密をとるダブル断熱なので先張りシートいらないといけばいらないのですけど・・・複雑な形の部分は先張りをしたほうがよいよとアドバイスをしていたのですが・・・
私と大寺さんとで納まりの考え方が違ったため、施工側の納まりを優先しました。
大寺さんがきになるところが、樋の部分の処理です。大寺さんは天井は気密シートを先に必ずはってしっかりとテープ処理をしているので、雨が降っても雨が屋根をかけるまでも漏ってきません。それは気密処理が完璧で、雨水が逃げるところがないので小屋裏に水がたまってしまうからです。
そのため、大寺さんが小屋裏にもぐって水をバケツにあつめて捨てるという処理をするのです。
しかし・・・今回は二箇所雨が漏ってきたのです。原因は明確なんです。私が大寺さんに今回の手伝ってくれる大工さんたちの欠点を指摘しました。大寺さんも知っていて徐々に注意をしているようですが、どうもおおきな団体の要職についているらしくなかなか素直に耳を傾けないようです・・・いつもなら、私も注意しますが・・・大寺さんのお手伝いの方なので私も直接注意はしないで大寺さんにアドバイスをしているだけにとどめているのですが・・・(自分の家なので・・・)その大工さんの技術でなく態度と対応が雨漏りをさせているのです。

腕は極端に悪い大工さんたちでないのですが、掃除をしない・・・隠れるところでも気を使って施工しない、人の話を聞かない・・・ということで・・・
気密シートがたるんでいたり、ゴミが落ちているというところがありそこをやり直しさせましたが・・・
その上にゴミを落として歩くので・・・屋根をかけるまえに気をつけて気密シートの穴をチェックして補修したのですが・・・完璧ではなかったようですね。その後、大寺さんがもぐって怪しい箇所を処理したのですが・・・樋の部分が手がうまくはいっていかなく処理が甘かったかもと言っていたのです。
雨漏りはとまりましたが、テープがしっかりと施工されていない可能性あるところがでたということなのです。

気密工事に関して2箇所、いつもの大寺さんのように施工出来なかった箇所があるわけです。本部隊とやはり応援隊とではどうしても慣れている技術が違います。理想は誰がきても同じ品質が望ましいのですが・・・
人のやることですからね・・・ということで・・・気密測定開始。
最初はお!!なかなかいいかもなんて感じになっていたのですが・・・結果は・・・

説教?

c値、0.22
ach値0.30
n値1.89

古川大先生に説教される大寺さん・・・無念の表情・・・この建物だけは過去最高の数値をたたきだしたかった・・・とのこと・・・
ただ、数値的にはパッシブ基準クリアして世界基準の気密性能です。
ただ、富田や中泊が良すぎるだけなんですよ・・・一応、大寺さんの名誉のために先ほどと違い詳しい解説を・・・
C値とは単位隙間相当面積のことを指します。青森市の場合は次世代省エネルギー基準で2.0cm2/m2以下にしてくださいと言われていますので、約10倍性能良いわけ何ですよ・・・ただ、換気を適正に動かすためには第一種換気で1.0cm2/m2以下、第3種換気で0.5cm2/m2以下が望ましいとされています。
今回採用の換気は第一種換気で、夏には外気温に反応して第三種換気になるというものなので、不利側の第三種換気であったとしても2倍以上性能がよいと言われています。
理想として言われるC値も0.3cm2/m2程度という説もあるので十分申し分の無い数値なんですけど・・・
0.1代をたたきだしたかったようです。

ACHです。50Paとい台風並みの圧力の加圧時に一時間に建物容積の空気が何回入れ替わるかを表した漏気回数値です。気密性能を表す単位として世界の多くの国で使われています。
世界で一番厳しい基準と言われるカナダのR-2000住宅の基準でACH=1.5回/hを下回ることとなっています。
今回の住宅は、0.3回/hということで、台風が来ても1時間で空気が1回も入れ替わらない。つまり、外部の影響をうけることなく換気性能を発揮するということです。

そしてN値・・・これは、私と大寺さんどっちの悪い予感が的中したかはわかりません・・・なんとなく大寺さんのほうっぽいです。
これがよくない(あくまで世界基準でですよ)数値です。
隙間特性値といい、その気密測定物件の気密の施工状況とどんな隙間の空き方をしているかを知ることができる値となります。気密測定した時にこのn値を読み取ることで隙間が何処に存在するのかどのような隙間があいているのか?がおおよそわかります。高いレベルの高気密住宅の隙間は非常に細かいので、針の穴のようなものが点在します。気密の低い住宅の隙間は大きい傾向にあり、細長い穴があいているようなイメージです。

N値が2に近づくほど隙間は大きく細長く、1に近づくほど隙間は小さく針のような穴が存在することを意味しています。
気密を意識して作られるとN値は1.0~1.5以内に収まるようになりますが、今回の住宅は1.89です。ちなみに、中泊住宅は1.09です。これを解説すると・・・
中泊住宅は針のような穴が点在して、隙間の合計が4cm角程度ありますという住宅。
この住宅は、細長い穴がどこかに数カ所もしくは、一箇所あり隙間の合計が8cm角程度ありますという住宅。
この住宅性能値で行けばパッシブ基準もクリアをして申し分ない気密住宅なのですが・・・気密を意識して作っているという自負のある大寺さんからするとショックな結果な訳なんです。はっきり言いまして、青森で大寺さんくらいコンスタントにこの数値をただきだし、常にパッシブ基準をクリアする工務店は少ないです。
応援隊を使ってもこの数値でおさめてくるということは、大寺さんが気密の施工をしっかりと理解して私の図面を読み取って現場指示をして現場管理をしているということなんですけど・・・
細長い穴の可能性を、自分で意識出来ていたことが悔しいんだと思います。私も正直悔しいです。
細長い大きめの穴と判断するなれば・・・やはり、雨漏り事件の補修の場所と思われます。気密の腕でなく、養生や掃除をしっかりしないでおきた数値なだけに悔やまれるわけです。

養生も掃除も大事だよ・・・腕だけはだめなんだよって一言言いたい。
そして、大寺さんと私はこの仕事が終わった後に、また業界に怒られるかもしれませんがちょっともの申そうと決めたわけです。

とはいえ・・・N値は特性値なので・・・じっさいに大切なのは・・・ACHやC値なので・・・
皆様、この建物も大寺さんの技術もけっして悪いわけではありませんよ!!