正しい知識と正しい技術

鉄骨階段

鉄工房アールさんに行ってきました。
鉄骨階段の状況をみるためです。この白いのは鉄骨階段のササラです。これは、脇役です。もう一本のササラを目立たせるために壁と一体にするために、白くして存在を消してもらうことにしました。

ブラケット

今回は、ブラケットも頼みました。
手作りって感じを出したかったんです。既製品のコーディネートでなく・・・もちろん、限界がありますが・・・

鉄工房のノブとついつい熱く話し込んでしまいましたが・・・
デザインだけってかっこ悪いし、正しい知識と技術をもってお客様と向き合わないといけないしただ、安く既製品の組み合わせをするだけでそれをデザインって言っている最近の住宅建築ってどうなのかなと・・・
お客様に本物を知っていただきたいなと・・・最初は少し高いかもしれませんが・・・長い年月をかけるとしっかりと本物で作った方が絶対に長持ちして安く上がります。そこを、崩さないで仕事をしたいと話しました。

また、今回は色々な事情があり始めて組む大工さんも多かったのですが・・・しっかりと設計監理を行えば、そこの大工さんが普段やっているレベル以上の仕事をします。嫌々従っているかもしれませんけど・・・
つまり、大工さんの技術がないのではなく・・・設計監理する建築士側の知識が無いから大工さん達の職人さん達の力を生かすことができないのではないかと・・・

私は、厳しい厳しいといつも言われていますが・・・厳しく言って嫌でもこの納まりやこの設計でないとだめですと言えば出来る職人さん達・・・面倒でやらないのか?賃金が相当値切られてやらないのか?わかりませんがやれる力を生かしていないのはもったいないことだし、お客様に失礼なことです。

ただ、お客様にもお願いがあります。必要以上に値引くと職人さん達も生活のために手をぬくしかすべがありません。
安く良くということはこの世には存在いたしません。そもそも、技術者の方と直接契約をして金額を決めていないのであれば元請けがいくらで職人さん達をやとっているかです・・・
しっかりと、そこの会社の状況をみて頼まないといけませんね・・・
一生に一回の方がほとんどの大きな人生のイベントですから・・・

耐水石膏ボード

そして、耐水石膏ボードをはります。これをはることで告示で準防火構造か防火構造以上になり、表面に何を貼ってもよくなります。
こうすることで木材が貼れるようになります。
ちなみに、水切りの下を1cm以上あけないと外壁が痛むので12mmの合板をかませて施工しています。

耐水石膏ボード2

きちんと貼っています。
最近は、この耐水石膏ボードの他に、構造用面材+断熱材の組み合わせで面材フリーになるものもありますのでどういう素材で準防火構造以上にするかを相談するべきですね。
SNSやBlogで直接板張りなんかを見かけますが・・・チャネルサイディングのウィルウォールでも無い限りは・・・
ちょっと、まずい施工かもしれません・・・ちゃんとした知識と技術をもったところを選ばないと・・・

気密シート

そして・・・今回はダブル断熱です。
ダブル断熱

外張り部分で気密とっているのになんで気密シートはるのって?
これは気密確保のために貼っている気密シートではありません。防湿層を作っています。
防湿フィルムの役割でt=0.2のフィルムをはっています。青森県ではt=0.15の防湿フィルムだったり、袋入りのグラスウールだったりで施工をすると壁内結露を起こしやすいので・・・

ダブル断熱で一番怖いのは壁内結露の問題です。
簡単に話すと、ダブル断熱は異なる断熱材で行うと壁内結露のおそれがあります。私の方では、一時期やったダブル断熱を控えていたのは当時のダブル断熱をした場合はメーカー指導のやり方に従ったためにこの壁内結露の恐れの事実を問い詰めたところ、自信があるので結露がおきたらメーカーで保証すると言っていただき、結露の保証書を発行していただきました。

しかし、私の方でそれ以降は提案を控えてガラスの性能の強化や断熱材の厚さを厚くするという方向で設計してきました。
そして、色々と学びダブル断熱をやる場合のいくつかのパターンを考えて、その条件下ならダブル断熱も提案をしようと最近は思い始めましたが・・・コストアップでなかなか難しく採用されませんでした。
今回はネットゼロエネルギーハウスのためダブル断熱を久々に採用しました。

ダブル断熱はことなる断熱材を使う場合、透湿抵抗が違うので壁内結露がおきやすくなります。

簡単に言います、細かい数値はおいておいて・・・
グラスウールは湿気を通します。ウレタンフォームは湿気を通しません。外張り断熱でウレタンを採用し、内側にグラスウールをいれた場合・・・グラスウールでふくんだ湿気は外に出ることができないため壁内結露となり躯体を腐らせていく可能性があるということになります。

ウレタン同士だと湿気をとおさないものどうしなので構造体に湿気がふくみにくい、グラスウール同士だと、内側に透湿抵抗の高いシートを貼り、構造用面材には透湿抵抗の低い面材をはると通気層まで湿気だしてくれるようになるので壁内結露がおきにくい状態になります。ダブル断熱の壁内結露のリスクを減らせるこのいずれかの提案を採用するお客様にのみ私はダブル断熱を提案していきます。

最近は、結構ダブル断熱の採用も増えていますが・・・ただ、単純にダブル断熱にすればよいというわけでないのです。せっかく断熱をよくしても家が腐ってしまえば・・・

でも、実際に壁内結露の恐れがある納まりでも大丈夫の学術論文もなきにしもあらずなので・・・リスクを背負ってもコストを抑えてウレタンとグラスウールの組み合わせを採用するという方もいてもおかしくないかもしれません・・・

ただ、そういった説明ができる業者とただダブル断熱と意味なく提案する業者とどちらが安心して住宅を任せられるかと考えると前者ではないでしょうか?

建物は建ってしまえば簡単に立て直せません。
正しい知識と技術をもつ業者さんはちょっと高いかもしれませんが、それは正しいことをしているからなので正しい知識と正しい技術をもつ業者さんとお話ししてみてはいかがでしょうか?