木部保護塗料の注意

鎧張り

外壁は、青森県産の杉の鎧ばりです。
下地を工夫して、ヒバにしました。杉の下地ですと真鍮釘が浮くアフターが多発したので、外壁材が杉の時は、下地材をヒバにすることにしました。

下地ヒバ
やはり、釘のききは良くなっています。
些細なマイナーチェンジは、現場の意見を聞きながらしております。

そして、木部の塗装。
今回は、ウッドロングエコを採用しています。
わたしは、常に素材に塗料を先に塗布して、乾燥させてから、外壁も、床材も施工させます。
外壁や床施工したあとに、塗料をDIYで塗らせたり、職人に塗らせたりする例が多々あるのは知っていますが、あまり望ましくありません。

まず、木は湿度に応じて伸び縮みします。
木の湿度の放出を止めるような塗装をした場合は、片方が伸び縮みしにくくなるので、木の反りが増えます。そのため、木部を保護しつつ伸び縮みを止めない塗装が望ましいですが、どうしても木の伸び縮みを止める塗装をする場合は、両面塗りして両面の伸び縮みを減らし反りをなくする工夫が必要であるので、外壁や床施工後は、両面塗りできないのでオススメいたしません。

先に塗ります

木の伸び縮みをとめない塗装の場合は、片面塗装でいけますが、外壁や床施工後にぬると木の表面しかぬれないので、木口という木の切り口に塗装がはいりませんので、乾燥して木が縮んだ時に塗装が塗っていない部分がでてくるので、木部を保護したことになりません、木口が一番塗装を吸う部分なので結果、木部を保護していない手抜き施工になってしまいます。

また、キシラデコール、オスモカラー、ウッドロングエコなど多くの木部保護塗料は、外部に使用する時は両面塗りと木口塗りをしなさいと施工マニュアルに明記されていますし、プラネットカラーだと片面塗装でもよいが、なるべくなら両面塗りで木口も塗ることを推進しています。
木の性質以外で、塗料メーカーも両面塗り、木口を強制もしくは推奨していることから、外壁や床などを仕上げたあとに塗るのは望ましくないことがわかります。

小口
そのため、素材に先に塗り、カットした部分の木口は現場で写真のように塗装しながら作業します。
そのぶん施工が遅くなります。

ちなみに、お客様からウッドロングエコを上塗りしたいなど問い合わせいただきますが…
木部保護塗料や自然塗料の重ね塗りは、塗装の剥離などがあるので、ウッドロングエコだけでなく多くの木部保護塗料で推奨していません。
当事務所も、キシラデコールからはじまり、オスモカラーとなり…
いまは、プラネットカラーかウッドロングエコという選択をしておりますが、OBさまには大変申し訳ありませんが、同じ塗料でのメンテナンスをお願いしております。