既存不適格物件の増築のはじまりはじまり

稲見建築設計事務所のコンセプト。違反建築をしないで、法律はどんなにすれすれでもきちんと守る。
カーポートの建築確認の問題を提示して、一部の同業者からそんなことしたら誰も仕事にならないとか言われましたが・・・タクシーの運転手が乾杯に1杯程度だからといってお酒を飲んでから運転するよりも一生建物は残るので罪は大きいのでは?なんて考えます。どちらも一歩間違えば人命に関わることですからね。

青森市にこんな素敵なページがあります。参考にしてみてください。最近、不法に建築して是正を求められたのでどうすれば良いですか?という相談を建築業者さんからいただきました。建ぺい率オーバー容積率オーバーでなければ逃げられるかな?と思いましたが・・・残念なことに建ぺい率オーバーで解体することになりました。
昨年だけでも2件ほど相談を受けては助けて上げられなくて解体する結果をみています。せっかくお金をかけたのに・・・もったいなくありませんか?業者が悪いケース、お客様が悪いケースがありますので費用負担はどうなのかはケースバイケースでしょうが・・・建築確認なんていらないって業者には注意しましょうね。

ということで・・・カーポートの次に違反者が多い、増改築。
増改築には様々な条件があり、建築確認をいらないものからいるものまで多種多様です。ただし、青森市のサイトにも書いてありますが・・・
確認申請が不要な場合であっても建築基準法に適合していることが必要
なので、きちんと法律を守らないといけません。当方事務所に頼むと増改築の場合は高いと言われるのですが・・・法律を守らないといけないので・・・高いのではないのです・・・
一度、リフォームの相見積もりになり、当方と相手方200万円の差がでました。相手方が基礎が無筋にもかかわらず基礎の補強をしていないとか、断熱材を入れているが、サッシが単板ガラスのままとかの差があったらしくお客様に相手方にあって当方にない項目の質問をされて、受け答えをしました。
お客様は納得されましたが、予算があわないということで相手方も当事務所断られましたが、そのお客様には手抜き建築で建築しなくてすみました。ありがとうございますと感謝されました。
本当は、仕事になった方が嬉しいのですが・・・それでも、結果そのお客様がご予算をためたら声をかけていただけるのかな?と思っています。

そんな中で、オオデラさんが相談をもってきました・・・既存不適格の物件です。
大寺さんは名義借りをしてはいけないと、私に設計監理でこの物件をお願いしたいともってきてくださいました。感謝です。
しかし、築年数では既存不適格物件決定です。

木造住宅は不適格建築物の緩和規定が平成21年9月1日より定められましたので、それを利用して設計することになります。
今回の住宅は、基礎には鉄筋は入っているものの基礎の構造が不適合、継ぎ手仕口の構造方法が不適合なものの残りは適合でした。耐力壁も適合です。素晴らしい。
ということで、増築部分の基礎は現在の法規に従って基礎を打設することになりました。

チェックということで・・・
鉄筋チェック。地盤が良いところなのでパイルも無し増築して基礎に乗る部分は外階段のみということで鉄筋のピッチは300mm以下になりましたのでそちらのチェック。合格です。
今日は天気も良いので基礎の打設には最適。生コンも温度補正させて1週間以上養生させます。

全景そのあと、筋カイの位置のアンバーボルトの打ち合わせをおこないました。
壁量のバランスをよくするために外階段のところに筋カイを配置して1/4の耐力壁のバランスをとったのです。

基礎の補強工事はこれでおしまいです。これから、屋根の改築が始まります。